荊の城のあらすじ
19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、下町の故買屋の家に暮らしていた。ある冬の晩、ここに顔見知りの詐欺師がやってくる。さる貴族の息子というふれこみで、<紳士>とあだ名されている、以前スウのスリの腕前を借りにきたこともあった男だ。彼はスウにある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その巨額の財産をそっくりいただこうというのだ。スウの役割は、令嬢の新しい侍女。スウはためらいながらも、この計画に加わることにする。
スウが侍女として入ったのは、俗世間とは隔絶した辺鄙な地に建つ城館。そこに住んでいるのは、スウが世話をする令嬢、モード。それに彼女の伯父と使用人たち。訪ねてくる者と言えば、伯父の年老いた友人たちだけという屋敷で、モードは親しい友人もなく、蔵書狂の伯父の手伝いをして暮らしていた。他に話し相手もないそんな環境で、同い年のスウとモードが親しくなっていくのは当然のことだった。その背後で、冷酷な計画を進めていようとも。計画の行方は? 二人を待ち受ける運命とは?
“このミステリーがすごい!”海外編第1位に輝く、サラ・ウォーターズ原作のドラマが待望のDVD化!
裏切りが裏切りを呼ぶ。仕組んだのは、淑女か悪女か―。エレイン・キャシディーが光ってます。【キャスト】スーザン・スミス(スウ):サリー・ホーキンス、モード・リリー:エレイン・キャシディ、ミセス.サックスビー:イメルダ・スタウントン、フレデリック・バント(紳士・坊ちゃん):ルパート・エヴァンス
BBCドラマ 荊の城の紹介はこちら
サラ・ウォーターズの処女作 Tipping the Velvet のBBCドラマ。1890年の英国のミュージックホールが舞台、ヒロインのナン・アストレイは、キティー・バトラーとレズビアンの恋に陥る。【キャスト】ナン・アストレイ:レイチェル・スターリング、キティー:キーレイ・ハウェス 注意:このDVDはリージョン1です。
サラ・ウォーターズの第2作。独房からは信じがたい静寂が漂ってきた。獄内の静けさを残らず集めたより深い静謐が。それを破ったのは溜息。わたしは思わず、中を覗いた。娘は眼を閉じ…祈っている!指の間には、鮮やかな紫―うなだれたスミレの花。1874年秋、ロンドンの監獄を慰問に訪れた上流婦人が、不思議な女囚と出逢う。娘は霊媒。幾多の謎をはらむ物語は魔術的な筆さばきで、読む者をいずこへいざなうのか?サマセット・モーム賞受賞。
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荊の城の感想
レズビアンの描写よりも、プロットと文章がよくて、それに、終盤の急展開はこのミス1位だけのことあります。スウとモードそれぞれの立場から見た2つの物語であるBBCドラマもおすすめです。(P)